建築生は見て損はない!学校のつくりを本当にしってる?
今回は学校を設計するにあたって押さえておきたいことについて紹介したいと思います!
学校のつくり
学校の役割
学校は学習を目的とする施設であるとともに、生活活動が営まれる場所でもあります。
学級や学年という集団を単位に活動が行われ、時間割・カリキュラムに沿って活動が組織化されています。
また、「算数」「社会」などのカリキュラム化された教科学習活動とともに、食事や掃除などの非カリキュラム活動も教育の一環として扱われています。
活動に対応した場
教室運営
担任制の違い、学級重視、教科重視などの考え方から、学習と教室の対応に関していくつかの運営タイプがあります。
特別教室型は学級教室(ホームルーム)と「理科室」や「家庭科室」などの特別教室を組み合わせた形式で、日本の学校の大半はこの形式をとっています。
教科教室型は各学科が専用の教室(教科教室、特別教室)を持ち、生徒が時間割に従って教室を移動します。この方式はおおよその中学校・高校で採用されています。
総合教室型は学級教室で一通りの機能を完結させる学級集団ベースの構成となっています。
ちなみに私が通っていた学校は特別教室型でした。
一斉授業:聴く・見る・書く -教室ー
教師による講義スタイルの学習活動が行われる場であります。私個人的には大学の講義がもっともこれに当てはまると思います。
普通教室は面積約60㎡程度、天井高3m以上、40人単位が標準的な規模となります。
従来の学級教室(ホームルーム)は普通教室形式に対応しています。
教室では黒板・ホワイトボードと座席表配置関係、視覚的な環境確保などについて配慮するように設計されています。
ここで私のちょっとした体験を語らせてもらいます!
自らが学ぶ意欲をもって取り組むことの重要性は私自身痛感しました。高校では勉強はやらされている感じがしていました。大学は県外に行き、一人で生活することで自立することができ、勉強にも自ら励むようになりました。少し話がそれますがそういった面で一人暮らしを一度は経験しておくとよいと思います!
雑談はこのくらいにし、話を戻します。
能動的学習:調べる・試す・まとめる
近年は児童・生徒自身が作業する活動が重視されています。
また、グループでの話し合いや資料整理、デスクワーク的な作業をする場所、インターネット利用、簡単な実験や観察を行うのに適したテーブルや作業台などが必要となります。
そして、教室や他の場所との連携を考えた配置計画が重要となります。
つくる・育てる・採る -学級教室・特別教室ー
学級教室、特別教室は、図工、美術、家庭科などの創作活動を中心とした学習が行われる場です。
小学校では学級教室で実施される場合も多いですが、中学・高校では設備・備品が充実した特別教室で実施されます。
近年では従来型の特別教室ではなく、多様な作業に対応できるワークスペースを備える例もあります。
(5)集まる・発表する
近年、学級担任制のが小学校などで学年を母集団として情報や学習成果を共有する例が増えています。
・ポスターセッションやグループの展示など様々な発表形式
・全学的な活動や異学年の交流を図る活動
といったものが導入されています。
場と空間の組み立て方
全体計画(配置計画)
全体計画は、運動場を南側にとり、校舎を北側に配置するのが一般的であります。
また、アクセス経路は防犯と地域開放の考え方によりいくつかの考え方があります。
出入口を厳重に管理する方式と、開放的にして自然な監視の目をつくる方式があります。前者は学校が閉鎖式になり、後者は監視の目の空白が生じる欠点があります。
体育館や特別教室を地域開放する場合、住民がアクセスしやすい表通りに面してこれらを配置し専用の玄関を設けることが重要です。校舎内でもこれらの施設と内部で適宜区切れるようにします。
諸室の構成
従来の典型的な校舎は廊下の南側に学級教室を並べ、端部に特別教室をまとめた片廊下型の構成となっていました。
教科教室型は教科教室・特別教室に加えて学級の生活拠点としてのホームベースを設けるのが一般的であります。
また、教科教室型は教科教室、特別教室、ホームベースの配置関係に配慮する必要があり、系列の教科教室をまとめて共通のワークスペースを構成する方式(系列教科教室側)もあります。
総合教室型のホームルームは普通教室よりも作業スペースを充実させ、ほとんどの活動を教室内で完結できるようにします。
多目的スペース・オープンスペースの設置
開かれた学校、開かれた教室に基づいた多様な集団編成や活動に対応する多目的スペース、オープンスペースの設置が増加しています。
多目的スペース、オープンスペースは教室に隣接・連続させるのが一般的な形式となっています。
建築類型への適用(建築の広がりや現代への対応)
学校特有のプログラムやカリキュラムにおける個々の活動要素の比重が変わっていることが事実です。
従来の標準設計に当てはめて計画してきた時代を終え、それぞれの学校の特徴をとらえた計画が必要となるでしょう。
以上でおわりです。おつかれさまでした!
学校を設計する際には、自分の通っていた学校を思い出すのもよいかもしれませんね!