建築生必見! 独立住宅について知っておきたいこと

これは建築を学びたい人が最低限押さえておきたいことを紹介するブログです。

 

そんなに難しくないのでぜひ覚えておいてください。

 

今回は住宅について、そのなかでも独立住宅について紹介したいと思います!

 

独立住宅


 

住宅とは


住宅の種類


住宅の種類は大きく2つに分かれています。

独立住宅:戸建(こだて)住宅ともいう。

集合住宅:2つ以上の住宅が集合したもの。低層集合住宅、中高層集合住宅などに大別される。

 

独立住宅とは


独立住宅については以下のようなことがあてはまります。

・住む人の意向にあった住生活を充足させる住居

・地域と住まう人の特性の上に住宅は構成される

・「団らんする」「くつろぐ」「一人になる」「食べる」「寝る」場

 

 

活動に対応した場


 

団らんする・くつろぐ ー居間ー


居間は以下のようなものとなっています。

・居間でのくつろいだゆるやかな集い

・「個体距離」「社会距離」の2つの距離と行動

・「個体距離1.5m」食卓やこたつに座っての会話

・「社会距離3m」応接セットを使っての団らんや接客

 

 

場をしつらえる


LDK(居間・食事室・調理場)における応接セットと食事テーブルの配置関係にはいくつかのパターンがあります。

家具に座った人どうしの視線が交わるものがソシオペタル型、視線が交わらないものがソシオフーガル型といいます。

また、家の中の広場のような、出来るだけ広いリビング(居間)を設けたものもある

 

一人になる・寝る -主寝室・こども部屋ー


夫婦の主寝室と子供室があります。

主寝室は最もプライバシーが要求され、余裕のある広さで計画されるのが望ましいとされています。

高齢になると寝室は就寝するだけでなく、日常生活の一部が営める居間の役割を果たすようになるでしょう。

また、こども室は成長にともない寝室、遊び場、勉強部屋としての機能が必要となるため、一人部屋では4~6畳、二人部屋では7~10畳程度の大きさが必要とされています。

 

調理する・食べる ー調理室ー(キッチン)・食事室(ダイニング)ー


近年はダイニングに面して開いたオープンキッチンが多くなっています。

オープンキッチンは調理をしながら家族とコミュニケーションがとれます。

オープンキッチンでは背後の壁側に配されたレンジの煙や熱を簡単に外に逃がせる利点があるが、調理がしにくいなどの問題もある

 

しまう -収納空間ー


収納空間は延べ床面積の10%程度の収納空間を確保することが望ましいとされています。

主寝室の収納や押入はふとんや衣服の入れ替えなどで寝室面積の20%程度を確保する必要があります。

また、ウォークインクローゼットは動線空間が余分に必要なため面積的な余裕が必要とされています。

 

 

場と空間の組み立て方


 

平面計画


動線計画とは人や物が移動・運搬されるルートで建築を計画する上で重要な考え方となります。

また、家事動線については台所と勝手口の間にユーティリティをもうけるなど、能率的に家事作業がこなせるようにします。

高齢者の部屋は一階に配置し、便所・浴室・洗面所などとは短い動線とします。

居間の配置は住宅の中央に配置する「ホール式」や端部に配置する「袋式」などがあります。

L(居間、リビング)、D(食事室、ダイニング)、K(調理場、キッチン)はさまざまな組み合わせがあります。

 


配置計画


敷地内に建物を配する際に、採光や通風、プライバシー、隣地との関係をよく考慮して、その建物や庭などの外部空間が快適で使いやすいものとします。

住宅の配置計画では採光と通風・換気が重要な考え方となります。

採光条件をよくするためには、南面する部屋が多いほうがよく、東西軸に長い間口をもつ配置が有効です。

 


建築類方への適用(建築のひろがりや現代への対応)


日本の住まいは家族のありかたの変化とともに伝統的な住まいから姿を変えてきました。

モダンリビングとは①いす座が取り入れられる、②洋風リビングをもつ、③公私分離のゾーニングをとる、といった特徴をもつ現代の生活スタイルです。

公私分離型にはコア型やコートハウス型、分離並列型などの住宅提案があります。

また、公私分離型以外には一室型、個室群型、続き間型、非分節型、狭小型などの独特な住宅提案があります。

 

 


以上となります。少しでも理解してもらえたらうれしいです!

建築生は必ず押さえておこう! 集合住宅とは?

今回は集合住宅について紹介したいと思います!

集合住宅と独立住宅、みなさん違いが分かりますか?

 

 

集合住宅


集合住宅って何?と疑問に思う人は少ないでしょう。住宅がたくさんあつまっている場所を集合住宅っていうんじゃないの?

そうですその通りです。一般にはそう答えてもなんら差支えはありませんが建築業界でそのようなことは言っていてはいられません。集合住宅を設計するにあたって知識を持つことはとても大切です。しっかりとした定義を言えてこそ建築をまなんでいると堂々とできるでしょう。

それでは学んでいきましょう!

 

集合住宅とは


集合住宅とは複数の住戸が集まって生活する住宅建築のことをいいます。ここでは移住者同士のコミュニティが生まれる場所としましょう。

集合住宅の計画では①住戸計画②住棟計画③団地計画の段階があり、プライベート(私的)からパブリック(公的)といった段階的な空間の構成が相互に関係してきます。

次に人が活動する空間について説明します。

 

活動に対応した場


 

食べる・寝る -食寝分離と分離就寝ー


たいていの家は食べる場所、寝る場所が分かれているでしょう。食べる場と寝る場を分けることを食寝分離といいます。また子供の成長により親子が別室で就寝することを分離就寝といいます。

これは戦後近くから実現されてきたとされています。戦後復興期の公共住宅の代表的なものに標準設計51C型というものがあります。2DKの原型となり、狭い面積で食寝分離と分離就寝が実現されました。

 

くつろぐ -リビングー


集合住宅は住戸面積が狭いため、リビングはダイニングやキッチンと一体化する例が多いんです。アイランドキッチンがある住宅に住んでいる人たちはリビングがキッチンとつながっていることが多いんです。

そうすると本来、くつろぐの場としてののリビングが接客の場を失ってしまいます。そういった問題を解決するのがデュアルリビングです。

 

知り合う -アプローチ空間ー


集合住宅では独立住宅と比べて、移住者どうしは階段室や廊下、エレベーターホールなどのアプローチ空間で顔見知りや知り合いになりやすい傾向があります。

アプローチ空間から玄関へ向く方向をアクセスの向き、リビングやダイニングから室外を眺める方向をを生活の向きといいます。これは大事なのでぜひ覚えておきましょう。

また、アクセスの向きと生活の向きの組み合わせにより、住戸内の気配の感じ方やプライバシーといった長所・短所が生じることがあります。

 

場と空間の組み立て方


 

住棟計画


住棟形式(アクセスタイプ)には階段室型、片廊下型、中廊下型、ツインコリダー型、スキップフロアー型、集中(ホール)型といったさまざまなタイプがあります。今回はそれらの形式の利点と欠点についてまとめてみました。

住棟形式の利点・欠点

階段型:会談のホールに2戸ずつ配置する形式。プライバシー・通風・採光の面で居住性がよい。低・中層に適している。

片廊下型:廊下の片側に住戸を連続して配置する形式。プライバシー・通風が良くない。住戸は南側とする。

中廊下型:廊下の両側に住戸を連続して配置する形式。プライバシー・日照・通風が、最も良くない。廊下は南北軸側方向にとる。

ツインコリダー型:中廊下型を改良したもので、中廊下を半分で割り、間に外部空間の隙間を設けた形式。中廊下型より日照・通風が改善されている。廊下は南北軸方向にとる。

 

スキップフロアー型:2~3階おきに廊下を設け、廊下のないフロアーを確保したもの。廊下のないフロアーはプライバシーや通風が良いが、非常経路が遠くなる。

 

ホール型:階段やエレベーターを集中させたホールを囲んで住戸が配置されている形式。高密度に高層化しやすいが分散した非難がし難い。住戸が全方向に向くため、環境条件で差が生じる。

 

これらのことが理解できると設計がより身近なものと感じられるでしょう。

 

住戸断面


フラットは各住戸が1層のもの、メゾネットは各住戸が2層以上のもの、メゾネットは住戸内に階段を設けることなどから、広い住戸に適しています。

また、住戸内で床高が半層ずれるものをスキップといい、斜面住宅の断面計画に適しています。

 

団地計画


住棟どうしの距離を隣棟間隔といい、冬至の午前9時から午後3時までで主な居室に4時間の日照が得られるよう決められています。

一般に1~3階建てを低層、4~5階建てを中層、6階以上を高層と区分します。

テラスハウスは低層住宅の設置型の一種で、専用庭を有した長屋型の連続した

形式となっています。

タウンハウスも低層で複数の住棟でまとめられる形式ではありますが、専用庭は最小限とし残りの宅地をまとめて共用の施設や中庭を確保することに主眼をおいています。

共通の中庭はコモンスペースと呼ばれ、住人の親しみや憩いの場所となっています。集合住宅では特に近所の人たちのコミュニティスペースとなっています。

 

建築類方への適用(建築の広がりや現代への対応)


今からは集合住宅の歴史について少し紹介します。

1980年代は住宅と商業の複合した集合住宅の構成が盛んであり、街並みの形成を試みたマスターアーキテクトせいの導入など都心それぞれの立地で多彩なテーマが追及された時代です。

1990年代以降に都心においては有名建築家設計のデザイナーズマンションというジャンルが注目され始めます。

2000年以降は家族や共同体を包むハコという既成概念を破るものが現れてきています。

その例として森山邸は、住宅を各室のボリュームに分解することにより、分散した庭が敷地外部に開いた印象を与え、庭空間が各戸に付属する領域として感じられる作品であります。

 

 


少しでも集合住宅について理解してもらえましたか??

初めのうちはなんとなくでもいいので学んでいきましょう!

おつかれさまでした!!

建築生はこれを見よ!住宅と幼稚園の造りは全然違う!

今回は幼稚園・保育園について説明します!

 

幼稚園や保育園を設計をするときに住宅を設計するときと同じような感覚で設計してはいけません。機能や用途が全くと言っていいほど違うからです。その違いについて今回は説明していきます。

 

幼稚園・保育園のつくり


 

幼稚園とは


まず幼稚園、保育所認定こども園(幼稚園と保育園の融合的存在)を総称して就学前乳幼児施設といいます。

就学前乳幼児施設は共同の遊びや生活を通して、育ちを支援するための施設であると定義されているのです。

 

活動に対応した場


 

食べる -保育室・ランチルームー


こどもにとって食べること、遊ぶこと、寝ることはとても大事な要素となります。食事は望ましい食概念・食習慣を身に付けるための機会となります。保育室で食べる場合、集団の一体感を強め安定した環境での食事が保障されやすくなるといったことも起こっています。

また、ランチルームなどで食べる場合、クラス間や学年間の交流ができるほか、食事を特別な機会として演出ができます。

設計をする際には食事場所と手洗い場所、調理室からの搬入動線などの計画的な

検討が必要です。

 

寝る・休む -保育室ー


次にこどもの発達には欠かせない睡眠についてです。0~1歳児は睡眠のリズムが多様であるため、静かで他の園児の影響をあまり受けない保育環境を設けることが重要となります。

園児にとって、休息場所は保育室を使うことが多く、机のコーナーとふとんを敷ける床遊びのコーナーを確保するといった設え上の配慮が必要となります。

 

排泄する -トイレー


トイレという空間も幼稚園と住宅では違ってきます。0~1歳では沐浴室と便所を兼ねることが多く、保育室と連続させ、すぐに入れるようにします。

近年では生活習慣としての排泄を重視し、保育室にトイレをあらわに接地したオープントイレなどが増えています。住宅でこのようなことはあり得ませんよね。

また、園児のトイレは保育士がのぞき込めるように120cm程度の仕切りとすることが一般的になっています。

 

遊ぶ -保育室・ホール・テラス・屋外ー


こどもは活発に遊びます。遊びには静的なものと動的なものがあり、子供たちの発達段階や性別、性格、遊び集団の規模により様々な遊びがあります。

保育室ホールなどの屋内、テラスやベランダなどの半屋外、園庭などの屋外空間で様々な遊びが行われることにより、いろんな場所でこどもが遊べるようになっています。

また、保育室にコーナーを設けることで、複数の遊びが存在し、それぞれの好みやペースに応じて遊びが展開しやすくなります。

 


年齢段階が異なる子供への配慮


幼稚園は3~5歳、保育園は0~5歳までの幅広い年齢の子供が生活を共有しているため、子供たちの発達段階による運動能力や認知能力の相違に十分留意する必要があります。

そのため、低年齢層と高年齢のこどもたちの活動場所は分けるほうがよいとされています。ただし異年齢の混在はリーダーシップの獲得や発達への刺激といった長所もあることを覚えておきましょう。

 


場と空間の組み立て方


保育室の計画


南面させ、日当たりのよい清潔な室環境をととのえることが大切です。

また、「食べる」「寝る・休む」「排泄する」「遊ぶ」場が存在するため、これらの関係に配慮し、家具などの設えによるコーナーをつくる必要があります。

0・1歳はほふくスペースを設け、沐浴スペースとトイレを保育室に隣接して設けます。

2歳児以上でもトイレは保育室に隣接するか近くに設置するのが望ましいとされます。

各保育室には半屋外のスペースを設けて、室内外の空間を連続させまるのが望まいとされています。

 

施設全体の計画(配置計画)


道路からのアプローチ動線、またこれに対する園庭と建物の配置を検討する必要があります。

配置計画の考え方により、園庭の解放感、あるいは園庭や施設のセキュリティやプライバシーの確保などの利点がそれぞれに出てくるため、じっくりと考えるにしましょう。

また、こどもの年齢に応じた所要室の配置計画(ゾーニング)を行う際に、低年齢児や休息するスペースは入り口やホールなどの大きな活動場所から距離をおいて設けることも重要です。

入り口は降園するこどもたちや保護者どうしの交流の場所となるため、園庭と連続していれば、迎えの時間帯に園庭で遊べる利点があります。

屋内の活動スペースが屋外スペースと連続的につながる計画は活動の自由な展開や避難時の安全確保などの利点があります。

 

建築類型への適用(建築の広がりや現代への対応)


幼稚園は学校教育法にもとづく小学校就学前の教育施設、保育所児童福祉法にもとづく自動福祉施設とされるが、両者の差異は次第に少なくなっています。

認定こども園認定こども園法にもとづく、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設であるとされています

幼稚園、保育所認定こども園では一日の園児数の変化の様子が異なります。

一日の園児数の変化に合わせて活動場所が変わるため、室スペースの大きさや仕切りなどに配慮し、遊びの連続性やにぎわいの密度を適度に調節する必要があります。

 

 

 


以上でおしまいです。おつかれさまでした!

住宅と幼稚園の違いがわかっていただけましたか?

建築生は見て損はない!学校のつくりを本当にしってる?

今回は学校を設計するにあたって押さえておきたいことについて紹介したいと思います!

学校のつくり


 

学校の役割


学校は学習を目的とする施設であるとともに、生活活動が営まれる場所でもあります。

学級や学年という集団を単位に活動が行われ、時間割・カリキュラムに沿って活動が組織化されています。

また、「算数」「社会」などのカリキュラム化された教科学習活動とともに、食事や掃除などの非カリキュラム活動も教育の一環として扱われています。

 

活動に対応した場


 

教室運営


担任制の違い、学級重視、教科重視などの考え方から、学習と教室の対応に関していくつかの運営タイプがあります。

特別教室型は学級教室(ホームルーム)と「理科室」や「家庭科室」などの特別教室を組み合わせた形式で、日本の学校の大半はこの形式をとっています。

教科教室型は各学科が専用の教室(教科教室、特別教室)を持ち、生徒が時間割に従って教室を移動します。この方式はおおよその中学校・高校で採用されています。

総合教室型は学級教室で一通りの機能を完結させる学級集団ベースの構成となっています。

ちなみに私が通っていた学校は特別教室型でした。

 

一斉授業:聴く・見る・書く -教室ー


教師による講義スタイルの学習活動が行われる場であります。私個人的には大学の講義がもっともこれに当てはまると思います。

普通教室は面積約60㎡程度、天井高3m以上、40人単位が標準的な規模となります。

従来の学級教室(ホームルーム)は普通教室形式に対応しています。

教室では黒板・ホワイトボードと座席表配置関係、視覚的な環境確保などについて配慮するように設計されています。

 

ここで私のちょっとした体験を語らせてもらいます!

自らが学ぶ意欲をもって取り組むことの重要性は私自身痛感しました。高校では勉強はやらされている感じがしていました。大学は県外に行き、一人で生活することで自立することができ、勉強にも自ら励むようになりました。少し話がそれますがそういった面で一人暮らしを一度は経験しておくとよいと思います!

雑談はこのくらいにし、話を戻します。

 

能動的学習:調べる・試す・まとめる


近年は児童・生徒自身が作業する活動が重視されています。

また、グループでの話し合いや資料整理、デスクワーク的な作業をする場所、インターネット利用、簡単な実験や観察を行うのに適したテーブルや作業台などが必要となります。

そして、教室や他の場所との連携を考えた配置計画が重要となります。

 


つくる・育てる・採る -学級教室・特別教室ー


学級教室、特別教室は、図工、美術、家庭科などの創作活動を中心とした学習が行われる場です。

小学校では学級教室で実施される場合も多いですが、中学・高校では設備・備品が充実した特別教室で実施されます。

近年では従来型の特別教室ではなく、多様な作業に対応できるワークスペースを備える例もあります。

 

 

(5)集まる・発表する


近年、学級担任制のが小学校などで学年を母集団として情報や学習成果を共有する例が増えています。

・ポスターセッションやグループの展示など様々な発表形式

・全学的な活動や異学年の交流を図る活動

といったものが導入されています。

 

場と空間の組み立て方


 

全体計画(配置計画)


全体計画は、運動場を南側にとり、校舎を北側に配置するのが一般的であります。

また、アクセス経路は防犯と地域開放の考え方によりいくつかの考え方があります。

出入口を厳重に管理する方式と、開放的にして自然な監視の目をつくる方式があります。前者は学校が閉鎖式になり、後者は監視の目の空白が生じる欠点があります。

体育館や特別教室を地域開放する場合、住民がアクセスしやすい表通りに面してこれらを配置し専用の玄関を設けることが重要です。校舎内でもこれらの施設と内部で適宜区切れるようにします。

 


諸室の構成


従来の典型的な校舎は廊下の南側に学級教室を並べ、端部に特別教室をまとめた片廊下型の構成となっていました。

教科教室型は教科教室・特別教室に加えて学級の生活拠点としてのホームベースを設けるのが一般的であります。

また、教科教室型は教科教室、特別教室、ホームベースの配置関係に配慮する必要があり、系列の教科教室をまとめて共通のワークスペースを構成する方式(系列教科教室側)もあります。

総合教室型のホームルームは普通教室よりも作業スペースを充実させ、ほとんどの活動を教室内で完結できるようにします。

 

 

多目的スペース・オープンスペースの設置


開かれた学校、開かれた教室に基づいた多様な集団編成や活動に対応する多目的スペース、オープンスペースの設置が増加しています。

多目的スペース、オープンスペースは教室に隣接・連続させるのが一般的な形式となっています。

 


建築類型への適用(建築の広がりや現代への対応)


学校特有のプログラムやカリキュラムにおける個々の活動要素の比重が変わっていることが事実です。

従来の標準設計に当てはめて計画してきた時代を終え、それぞれの学校の特徴をとらえた計画が必要となるでしょう。

 

 


以上でおわりです。おつかれさまでした!

学校を設計する際には、自分の通っていた学校を思い出すのもよいかもしれませんね!

建築生は見て!理解している?研修・保養施設の仕組み

今回は研修・保養施設とはどういうものなのかお話しします。

研修施設というと私は山奥にあり合宿みたいな感じを想像します。友達に研修施設ってどういうもの?と聞かれるかもしれません。まあほとんどないと思いますが、、そういったときにサッと答えるとかっこいいですよね!

 

「集まる」「修める」「養う」研修・保養施設


 

研修・保養施設


研修・保養施設は団体や学校の職員、学生などを集めての団体研修、海辺や山間での自然体験、豊かな自然のなかでゆっくりと時間を過ごす心身の保養などを目的とした施設です。

 

活動に対応した場


 

入館する -アプローチ・エントランスホールー


遠方からバスや大型車でアクセスし、一斉入館する場合が多いため、エントランス付近までアプローチできるようロータリーや駐車スペースを設ける必要があります。

エントランスホールは荷物を持っての一斉入館や集団活動の集合など多数の人が一度に集まる場所となります。このため宿泊数に応じた広さの玄関とホール空間が必要となります。

 

修める・集まる・ともに学ぶ -研修室・集会室ー


セミナーや勉強会などを行う場であり、研修施設においては重要な活動場所となります。

規模は20名程度の小規模のものや50~100名程度の大規模なものがあります。

また、研修の目的によって実技演習が可能な設備を有したものや、大規模な集会ができるホールのようなものを必要に応じて設置することがあります。

研修室や会議室は食堂や宿泊室などのゾーンを分け、静かな場所に集約するのがよいとされています。

 

食べる・親しむ -食堂ー


食堂は共同で食事を楽しみながら、コミュニケーションを図る場です。そのため、明るく開放的な室環境とします。

広い開口部(窓、出入口)や外部テラスなどを設置し、周辺の環境や自然を積極的に取り入れる工夫が望まれる

 

泊まる・養う -宿泊室ー


宿泊室は心身ともにくつろぎ、また同室の宿泊者と個人的な親睦を深める場です。

清潔で明るい室環境が望まれるとともに、積極的に広縁やバルコニーを設置し、外部環境や自然の豊かさを取り入れるようにする。

宿泊室は一般的なホテルではシングルルームでは10~20㎡程度、ツインルームでは20~30㎡程度が標準的な規模となっています。

研修・保養施設の宿泊室ではトイレや浴室は共同とし、和室や2段ベッドなどにより4~8名程度の宿泊を可能とするグループ室としたものも多くなっています。

 

楽しむ・憩う -談話室・レクリエーション室ー


夕食・入浴後のひと時や就寝までの時間を談話やTV観賞、ゲームなどをして楽しむ場です。

エントランス付近のロビーやラウンジで共用される場合もありますが、喋り声などに配慮し談話室・レクリエーション室として区別する場合が一般的です。

食堂や共同浴室、宿泊室などの生活空間ゾーンに配置するのが望ましいとされています。

 

自然に触れる・養う -テラス・屋外広場・散策路ー


積極的に自然とふれあい、自然の豊かさに浸ることも大きな活動目的となります。そのためテラスや野外広場、散策路といった外部空間の計画が必要となります。

また、外部空間の計画では建築空間を含めた相互のつながりを十分検討する必要があります。

 

場と空間の組み立て方


立地条件


海の家や山の家、温泉などによる保養を目的と施設などは、その活動目的に最も適した立地条件が望まれます。

自然豊かな場所に計画されることが多いため、周辺の緑や水辺、斜面といった環境や地形を生かした計画や外観デザインが重要となります。

 

部門と諸室


来館者に対しては研修ゾーンと生活ゾーンがあります。

研修ゾーンには研修部門(研修室・会議室など)、生活ゾーンには宿泊部門(宿泊室)や共同浴室があります。共用部門(ロビー・ラウンジなど)と厚生部門(食堂・売店など)は両方のゾーンに属すると考えてよいとされています。

 

配置形式


立地条件や敷地条件、活動目的などでいくつかの配置パターンが存在します。

複合型:すべての部門が一つの棟に複合して配置する
建設の合理性があり、部門間のつながりや維持管理は効率的となる

分節型:宿泊や研修などの重要な部門を平面的に明確にゾーニングして配置す

分散型:自然の中に各部門の施設をできるだけ分散して配置する
随所で自然との一体感を感じられるが、移動空間の利便や快適性の確保
が重要

 

建築類型への適用(建築の広がりや現代への対応)


研修と保養の目的によって必要とする諸室の機能や構成、規模などに違いが生じますが、両方の目的を兼用する施設も多いのです。

公共の「青少年自然の家」では、野外での活動や集団活動を通して自然の豊かさに触れ、思いやりや友情・協調といった心を養うことが利用目的となります。

 

 


以上でおしまいです。おつかれさまでした!

研修・保養施設について理解してもらえましたか??

建築生は読むべき!図書館のあるべきかたち

今回は図書館について説明したいと思います。

「知る」「読む」図書館


 

 

図書館の役割


まずは図書館の役割についてお話します。図書館とは図書の検索や閲覧、貸し出しのほかに、新聞・雑誌の立ち寄り閲覧、児童書の読み聞かせ、自学習室などの活動が行われ場所です。

また、郷土資料の収集と展示、集会企画などの活動、移動図書のサービスなども行っています。

 

活動に対応した場



入館する -エントランスホールー


図書館では様々な活動が行われるため、エントランスホールは目的の場所へ向かうために分かりやすさや見通しのよさ、それぞれの場所への近接性が重要となります。

また、貸し出しサービスなどの面から出入りに関する集約的な管理が必要となります。

案内や貸出のカウンターはエントランスホール付近に配置されるが、最近ではBDSを導入している施設も増えてきています。

 

軽読書する・立ち寄る(ブラウジングコーナー)


新聞や雑誌、気軽に読める図書をくつろぎながら読む場所です。エントランス付近に配置し、景色が見える開放的な空間で、ゆったりとした家具に座って閲覧できる環境が望ましいとされています。

 

図書を探す・読む -開架貸出・閲覧室ー


利用者が配列された書架(本棚)の間を移動し、自ら図書を探して閲覧したり貸出などのサービスをうけるスペースです。

特に地域図書館ではこの開架閲覧室が大きな割合を占めています。

また、利用者が効率よく図書を探し出せるよう見通しのよい書架配置が求められています。

図書館のかたちは大きなワンルーム空間とし、極端な縦横比率の平面形を取らないようにします。

 

児童書を読む・お話を聴く -児童閲覧室・おはなし室ー


児童が児童書や絵本を読んだり借りたりする場であり、図書と親しんだり、親子のコミュニケーションを図る場でもあります。

保護者や職員から読み聞かせてもらう場所をおはなし室といいます。

おはなし室や児童閲覧の一部スペースではカーペット敷きなどの床仕上げとすることが多く、床下に座ったり寝そべったりして図書を楽しむことが出来るようになっています。

児童閲覧室へ至る動線が一般閲覧室を横切らないよう配慮するとともに、相互が近接しないよう空間に分離します。

 

情報検索する・相談する-情報検索コーナー・レファレンスコーナーー


利用者が目的の図書や資料を探す場であり、目録や書誌、検索システムなどが準備されています。

また、検索や資料などの専門的な相談に職員が対応するサービスをレファレンスサービスと呼び、大規模な図書館ではレファレンスコーナーが設置される場合が多くあります。

 

視聴する -AVコーナー・AVホールー


所蔵しているビデオやCDなどの電子メディアを視聴する場です。

AVコーナーでは複数で視聴する設備と、AVブースなどにより個別に視聴できる設備があります。

教育普及や上映会などの目的で、集団で視聴できる設備を整えたAVホールがあります。ここでは映写・音響・照明などの調整室が併設されています。

 

利用サービスする・される -カウンターー


利用案内、登録、貸出・返却、レファレンスなどのサービスを提供する・される場です。

設計の際にカウンターは来館者からの分かりやすさや入館チェックなどの必要からエントランス付近に配置されます。

また、職員のサービス対応という点から、事務室・作業室と近接していることが重要な条件となります。

 

図書や資料を収納する -書庫ー


図書や資料の収納・保存が行われる場であり、図書館において最も重要な役割を担っています。

書庫の環境は温度・湿度をある程度一定に保ち、防水・防湿に対処する必要があります。

 

 

場と空間の組み立て方


 

主階(メインフロア)


図書館は計画にあたり主階という考え方を用いることがあります。

主階には図書館の主要となるサービス空間が配置されます。

また、地域図書館では開架貸出・閲覧室、貸出カウンター、事務室などが主階におかれます。

 

出納(すいとう)方式


利用者が図書や資料を手にするまでの手続きや方法です。

図書館の利用に対して出納方式は最も重要な仕組みとなり、計画の考え方に強く影響します。

大きく分類すると、利用者が自由に入室し本を手に入れる開架方式と職員のみが入室を許される開架方式があります。

 

部門と諸室


利用者に対しては導入(アプローチ・エントランスロビー・案内カウンター)、開架貸出(開架貸出閲覧室・ブラウジングコーナーなど)、レファレンス(レファレンスコーナーなど)、集会(集会室、ホール)、展示(展示コーナーなど)、共用(ロビー・カフェなど)などの部門があります。

また、職員に対しては事務作業(事務作業室など)、収納・保存(書庫)などの部門があります。

利用者のための部門と職員のための部門は公開部門(オモテ)と非公開部門(ウラ)という関係になります。

 

部門と動線計画


限られたスタッフにより数多くのサービスを提供することから、合理的な部門配置と動線計画が必要となります。

各種カウンターやレファレンスコーナー、おはなし室など利用者と職員のコンタクトが必要となる場もあります。この場合、オモテとウラの部門の近接性やこれにともなう諸室の連携が必要となります。

 

建築類型への適用(建築の広がりや現代への対応)


図書館にはサービス面から国立国会図書館公共図書館、大学、学校図書館専門図書館を頂点として広域圏から都心部、地域といった立地にもとづく図書館の階層的構成があります。

 

 


以上でおしまいです。お疲れ様でした!

余談ですが、東京国立国会図書館は地下7階まであり、過去に発行された本は全てここに保管されています。論文から雑誌、小説、漫画などなど。主に書庫としての役割が大きいことが分かりますね!

室内空間の空調デザイン

今回は建築においての設備についてお話します。

設備は人間が快適に過ごすうえで大切な要素です。真冬に暖房器具が備わっていないとか考えられませんよね、、

 

室内空間の空調デザイン


 

 

人体生理と体感温度


まずは体温調節とエネルギー代謝についてお話します。

人間は体内での産熱と体内への放熱の収支がバランスすることによって、一定の体温を保ち、正常な生命活動を維持することができます。

人体の細胞は血液やリンパ液から必要な酵素や栄養を受け取り、代謝をおこなって老廃物を運び出すことにより生きており、体内の環境変化に関わらず、こうした生体恒常性を保とうとする生理反応が働きます。

寒ければふるえによって気化熱という形で放熱を増大させるなどの反応です。

また、寒さ、暑さに対処するために衣服の着脱を行ったり、熱的シェルター機能を期待して家を建てるなどの行為は、行動性体温調節と呼ばれます。

摂取した食物がエネルギー源となって、人間は活動と産熱が可能となります。

人間の産熱量を皮膚の単位面積当たりで表し、これをエネルギー代謝量といいます。

椅座(椅子に腰掛けた状態)安静時のエネルギー代謝量は58W/㎡です。

作業の強弱を表現するときには、エネルギー代謝率(Met)が使用されることが多く、式は以下のようにあらわされます。

 

Met=任意の作業時のエネルギー代謝量/椅座安静時のエネルギー代謝

 

上の表は作業程度による人体放熱量を顕熱と潜熱に分けて示しています。

顕熱分は人体と環境との温度差により放熱される熱であり、潜熱分は汗の蒸発により放熱される熱です。

たとえば、エネルギー代謝率が1.0Metの椅座安静時には、20℃で顕熱放熱69W/h、潜熱放熱が21W/hとなっているのに対し、28℃では顕熱放熱が44W/hへと低下する一方、潜熱放射は46W/hにまで増加し、潜熱による放射量が顕熱を上回ります。

 

 

人体温冷感と温熱快適性の指標


人体の温冷感は、次の6つの要素によって左右されます。

①温度

②湿度

③風速(室内では気流速度という)

④放射熱

⑤活動量

⑥着衣量

 

①~④は人体がおかれた環境としての要素であり、⑤、⑥は人体の要素です。

⑤の活動量はエネルギー代謝率Metで表現が可能です。

⑥の着衣量は衣服の熱抵抗を示す clo値で表される。

気温21℃、相対湿度50%、気流速度0.05m/s以下の室内で、人体からの放熱量が1Metのエネルギー代謝量と平衡し、温熱快適性を感じるときの衣服の熱抵抗0.155㎡/K・Wを1cloと定義されています。

背広姿では1clo程度、半そでシャツ姿で0.6clo程度です。

有効温度(ET, Effective Temperature)は、実行温度とも呼ばれ、1923年にヤグロ―とホートンによって提案されました。

任意の室内空気温度 θa、相対湿度Θ、気流速度 vの室があるとき、これと同じ温冷感となる相対湿度100%、気流速度0m/sの室の空気温度で表されます。

これら空気温度と快適範囲は、被害者実験を通じて定められました。

作用温度(OT, Operative Temperature)は、効果温度とも呼ばれ、1973年にウィンスロウらによって提案されました。これは以下の式で表されます。

 

OT=Aθa+Bθr

 

通常の暖房状態では、A=B=1/2として、式で作用温度を求める場合が多いです。

 

OT=θa+MRT/2

 

また、グローブ温度計を用いてMRT(平均放射温度)を求める場合には以下の式で表されます。

 

MRT=θg+2.35√v(θg-θai)

θg:グローブ温度 v:気流速度 θai:室内空気温度

 

 

以上でおしまいです。おつかれさまでした!

今回でてきた式はよく使われるのでかならず覚えましょう。