建築生は必ず押さえておこう! 集合住宅とは?
今回は集合住宅について紹介したいと思います!
集合住宅と独立住宅、みなさん違いが分かりますか?
集合住宅
集合住宅って何?と疑問に思う人は少ないでしょう。住宅がたくさんあつまっている場所を集合住宅っていうんじゃないの?
そうですその通りです。一般にはそう答えてもなんら差支えはありませんが建築業界でそのようなことは言っていてはいられません。集合住宅を設計するにあたって知識を持つことはとても大切です。しっかりとした定義を言えてこそ建築をまなんでいると堂々とできるでしょう。
それでは学んでいきましょう!
集合住宅とは
集合住宅とは複数の住戸が集まって生活する住宅建築のことをいいます。ここでは移住者同士のコミュニティが生まれる場所としましょう。
集合住宅の計画では①住戸計画②住棟計画③団地計画の段階があり、プライベート(私的)からパブリック(公的)といった段階的な空間の構成が相互に関係してきます。
次に人が活動する空間について説明します。
活動に対応した場
食べる・寝る -食寝分離と分離就寝ー
たいていの家は食べる場所、寝る場所が分かれているでしょう。食べる場と寝る場を分けることを食寝分離といいます。また子供の成長により親子が別室で就寝することを分離就寝といいます。
これは戦後近くから実現されてきたとされています。戦後復興期の公共住宅の代表的なものに標準設計51C型というものがあります。2DKの原型となり、狭い面積で食寝分離と分離就寝が実現されました。
くつろぐ -リビングー
集合住宅は住戸面積が狭いため、リビングはダイニングやキッチンと一体化する例が多いんです。アイランドキッチンがある住宅に住んでいる人たちはリビングがキッチンとつながっていることが多いんです。
そうすると本来、くつろぐの場としてののリビングが接客の場を失ってしまいます。そういった問題を解決するのがデュアルリビングです。
知り合う -アプローチ空間ー
集合住宅では独立住宅と比べて、移住者どうしは階段室や廊下、エレベーターホールなどのアプローチ空間で顔見知りや知り合いになりやすい傾向があります。
アプローチ空間から玄関へ向く方向をアクセスの向き、リビングやダイニングから室外を眺める方向をを生活の向きといいます。これは大事なのでぜひ覚えておきましょう。
また、アクセスの向きと生活の向きの組み合わせにより、住戸内の気配の感じ方やプライバシーといった長所・短所が生じることがあります。
場と空間の組み立て方
住棟計画
住棟形式(アクセスタイプ)には階段室型、片廊下型、中廊下型、ツインコリダー型、スキップフロアー型、集中(ホール)型といったさまざまなタイプがあります。今回はそれらの形式の利点と欠点についてまとめてみました。
住棟形式の利点・欠点
階段型:会談のホールに2戸ずつ配置する形式。プライバシー・通風・採光の面で居住性がよい。低・中層に適している。
片廊下型:廊下の片側に住戸を連続して配置する形式。プライバシー・通風が良くない。住戸は南側とする。
中廊下型:廊下の両側に住戸を連続して配置する形式。プライバシー・日照・通風が、最も良くない。廊下は南北軸側方向にとる。
ツインコリダー型:中廊下型を改良したもので、中廊下を半分で割り、間に外部空間の隙間を設けた形式。中廊下型より日照・通風が改善されている。廊下は南北軸方向にとる。
スキップフロアー型:2~3階おきに廊下を設け、廊下のないフロアーを確保したもの。廊下のないフロアーはプライバシーや通風が良いが、非常経路が遠くなる。
ホール型:階段やエレベーターを集中させたホールを囲んで住戸が配置されている形式。高密度に高層化しやすいが分散した非難がし難い。住戸が全方向に向くため、環境条件で差が生じる。
これらのことが理解できると設計がより身近なものと感じられるでしょう。
住戸断面
フラットは各住戸が1層のもの、メゾネットは各住戸が2層以上のもの、メゾネットは住戸内に階段を設けることなどから、広い住戸に適しています。
また、住戸内で床高が半層ずれるものをスキップといい、斜面住宅の断面計画に適しています。
団地計画
住棟どうしの距離を隣棟間隔といい、冬至の午前9時から午後3時までで主な居室に4時間の日照が得られるよう決められています。
一般に1~3階建てを低層、4~5階建てを中層、6階以上を高層と区分します。
テラスハウスは低層住宅の設置型の一種で、専用庭を有した長屋型の連続した
形式となっています。
タウンハウスも低層で複数の住棟でまとめられる形式ではありますが、専用庭は最小限とし残りの宅地をまとめて共用の施設や中庭を確保することに主眼をおいています。
共通の中庭はコモンスペースと呼ばれ、住人の親しみや憩いの場所となっています。集合住宅では特に近所の人たちのコミュニティスペースとなっています。
建築類方への適用(建築の広がりや現代への対応)
今からは集合住宅の歴史について少し紹介します。
1980年代は住宅と商業の複合した集合住宅の構成が盛んであり、街並みの形成を試みたマスターアーキテクトせいの導入など都心それぞれの立地で多彩なテーマが追及された時代です。
1990年代以降に都心においては有名建築家設計のデザイナーズマンションというジャンルが注目され始めます。
2000年以降は家族や共同体を包むハコという既成概念を破るものが現れてきています。
その例として森山邸は、住宅を各室のボリュームに分解することにより、分散した庭が敷地外部に開いた印象を与え、庭空間が各戸に付属する領域として感じられる作品であります。
少しでも集合住宅について理解してもらえましたか??
初めのうちはなんとなくでもいいので学んでいきましょう!
おつかれさまでした!!